新潟県で自然栽培によってつくられた山田錦からできた特別な日本酒「宝穂」誕生の裏側とオススメのポイントを紹介します。ビギナー、日本酒好き両者に好かれるから誕生日、引越し、卒業、還暦、父の日など様々なプレゼントシーンに最適です。

自然栽培の山田錦からできた日本酒「宝穂」に込められたそれぞれの想い

数量限定商品として出されている、日本酒「宝穂(みちほ)」。飲んでみると、味はほどよく膨らみがあって、まるでメロンなどの果実にも似た柔らかな香りも、華やかすぎず強すぎず。そのまま飲むにも、食事と合わせても楽しめそうです。


日本酒好きの方も、飲み慣れていない方にもどちらにも好まれそうなこちらのお酒。新潟県で自然栽培されたお米・山田錦をつかった、新潟の酒蔵がつくった正真正銘「オール新潟」のお酒です。


「宝穂」という商品が継続して生み出されている理由や、その原点となるおいしさの秘密についておうかがいしました。


株式会社セオリーEC事業部 若松千予美さん、丹山浩克さん、宝山酒造 若松秀徳さん

左から株式会社セオリーEC事業部 若松千予美さん、丹山浩克さん、宝山酒造 若松秀徳さん

このお酒は、3本柱とも言える方々が関わって作られています。飲食店や酒屋などの企業が酒蔵と一緒にプライベートブランドの酒をつくることはありますが、今回のように農家をも巻き込むのは珍しいケースです。


この日本酒づくりに関わる人たちの中心であり、「方舟」という飲食店を運営する販売元の株式会社セオリー.。そこでネット通販を担当する丹山浩克(にやま・ひろかつ)さん、若松千予美(わかまつ・ちよみ)さん。


「食や酒をはじめとした地域文化を後世に伝えたい」という理念を持ち、飲食店や宿泊、催事事業など多岐に渡って展開し、主に、石川、富山、福井、新潟、長野といった、北陸信越のよいものを全国に普及させています。


2人目は、キーとなるお米、自然栽培の山田錦を育てている農家の上野晃(うえの・あきら)さん。


そして3人目は上野さんと同じ新潟市内で「宝山(たからやま)」というお酒をつくる宝山酒造の若松秀徳(わかまつ・ひでのり)さんです。

新潟の希望と可能性をたくした「上野さんの山田錦」

株式会社セオリーの丹山さん

―どのようにして今回の商品はできたんですか?


丹山:北陸信越の魅力を全国のお客様にお届けできる商品を探していたところ、「新潟に面白い農家さんがいる」と紹介を受けて、会社のスタッフが上野さんにお会いしたことがキッカケです。その後、せっかくだから上野さんと同じ新潟市内の酒蔵で酒づくりをお願いしたいという想いから、普段から仲の良い宝山酒造さんに打診をしました。

若松(千):農家の上野さんとはじめてお会いした時、雑談の中でたまたま「(食用米以外にも)自然栽培で酒づくり用の山田錦を作ったけど、売り先はまだ決めていない」と言っていて。

丹山:新潟は、山田錦が育つ北限と言われていました。食用米よりも稲の背丈が高くなるので、稲が倒れやすい酒造用米。その中でも山田錦は、つくるのにより手間ひまがかかり、何度も田んぼに足を運び見守らないといけないと言われています。ただでさえ育てるのが難しい山田錦を、農薬を使わずに、更に肥料を加えず、大地の力に委ねた自然栽培で育てる大胆で素晴らしい方が新潟にいるんだ、と話すうちに心動かされ、セオリーとしても上野さんのお米を使って日本酒をつくり、新潟の魅力をアピールすることを決めました。

―自然栽培※1といえば「奇跡のりんご」で有名な、木村秋則(きむら・あきのり)さんの農法ですよね。


若松(秀):そうです。もともと上野さんは、従来の農法に疑問を持ち、合鴨農法※2にチャレンジしていました。「多くの労力を要する合鴨農法を、熱心に取り入れている生産者が新潟市にいる」とその噂を耳にした木村さんから直接「(もっとこだわって多くの手間ひまがかかる自然栽培を)やってみないか」と声をかけられ、自然栽培を採用したそうです。基本的には、ササニシキやササシグレ、亀ノ尾といった食用米を育てています。上野さんの食用米は、アレルギーや食事制限をされている方のことも考えて作られているため、グルテンやたんぱく質の量が少なく、美味しく食べることができる、と人気だとか。

株式会社セオリーの丹山さん

丹山:上野さんは背が高くて、握手した時に思いましたが、ものすごく手が大きいんです。これが農家さんの「手」かと感動しました。農業の今や将来のことを真剣に考え、常にパワーに溢れている。会えば、みんなそのエネルギーに魅了されるような人なんです。その証拠に、上野さんが出展した食品イベントでは、開催中ずっと途切れることなく人が訪れていました。そういう人間味のある方です。

※1自然栽培…一切の肥料・農薬を使用せず、自然の力を引きだすことを目的におこなわれる農業方式のこと。肥料・農薬には頼らず植物と土の本来持つ力を引き出すために、膨大な年月を費やし土づくり、タネづくりを行います。田畑の潜在能力を引き出すこと、植物の本来の生き方に向き合うやり方が「自然栽培」と呼ばれています。

※2合鴨農法…合鴨を放飼し、雑草や害虫を餌として食しもらう代わりに、排泄物が稲の養分となり、化学肥料、農薬の使わない、或いは減量できる農法。化学肥料による稲の弱体化を回避し、病虫害の低減を図れる利点がある。

黄綬褒章受章の青柳杜氏も絶賛する品質の高さ

宝山酒造の若松さん

―宝山酒造さんではあまり、企画ものや特定のプライベートブランドなどは作られていません。異例の判断に、社内で反対の声は出なかったんですか?


若松(秀):はい。たしかにうちの蔵は大きくないから、こういった企画ものというのは基本的にはやりません。でも同じ新潟市内で、地域や農業全体のことをおもう方がいるなら「ぜひご協力させてください」と快諾する運びになりました。それに杜氏としても、山田錦はぜひ使ってみたい米であるということでした。

―今まで山田錦は使っていなかったんですか?


若松(秀):以前は兵庫県で生産された山田錦を使っていました。しかし、新潟県独自の酒米開発が進み「地元に密着した蔵であろう」と、人・米・水などは「オール新潟県産」という方針になったため、これまで使っていた、兵庫県産の山田錦は使用しなくなりました。ただやはり山田錦という米は、優秀で酒造りに適した良い米だ、と杜氏(とうじ)をはじめみんな口を揃えて言っていました。

―宝山酒造の杜氏※である青栁長市(あおやぎ ちょういち)さんは黄綬褒章を受章するなど、長年酒造りにたずさわってきた方。そして2015年から上野さんの山田錦で酒造りをスタートして2年経った今、杜氏はどのようにおっしゃっていますか?


若松(秀):「やっぱり山田錦は優秀だ」と言っています。そもそも100種類を超える酒造用米には、米ごとの特性というのがあります。良さが減るのであまり削ることはできない繊細なものもあれば、山田錦のように精米にかけても耐えておいしい部分を残すことができるお米もあります。だから山田錦はつくりたい酒をつくりやすい、酒造りに関わる人間にとって憧れの米なんです。それを地元新潟県産のものとして使え、届けられる。その喜びを、ひときわ感じます。この山田錦が新潟県にある、ということがとても嬉しいですよ。

※杜氏…蔵人たちの指揮監督をはじめ、年間の製造計画をたてるなど、酒づくりにおけるあらゆることを決定づける、最高製造責任者の役職名。

現代の食卓にマッチする手にとりやすいパッケージデザイン

日本酒「宝穂」パッケージ

―ラベルがかわいくて華やかですね。まるで日本酒じゃないみたいで、カフェとか西洋風のテーブルウエアにもよく似合いそうです。


若松(千):セオリーのデザイナーが、里山の風景をバックに「山田錦」を描いてくれました。やはり、このお酒の主役は「山田錦」ですから。

―本当だ。これ、楕円ではなくお米の形なんですね!


若松(千):お米のイラストの中に書かれた「’16」や「’15」は、お米の収穫年を指しています。通常だと大きく載せるのは、酒造年度です。でも「宝穂」の場合は、まず「新潟県産山田錦」がある。それを使ったお酒を飲んでもらうことによって、新潟全体を感じてもらいたい。

丹山:そのなかでも更に、上野さんのように「酒米を作りたい」「良いものを届けたい」という農家さんは多いんです。そして僕たちもそれが、とても品質の高いものだと知っています。だけど買取り先や購入する人がいない、わからないと農家さん達の想いも形もなくなってしまう。まず地域を知って、生産者さんを知り、製品に物語を感じてもらいたいから、セオリーでは各地の生産者さんを応援し、橋渡しをしたいと思っています。器でも日本酒でも加工食品でも同様です。

飲みやすい軽快な純米大吟醸酒

飲みやすい軽快な純米大吟醸酒「宝穂」

若松(秀):お米の風味や特徴を出そうと思うと、つい重たい酒質にしてしまいがちですが、日本酒に飲み慣れていない方やプレゼントとしても選んでいただきたいから、味の軽快さを重視しました。

―飲んでみると、味はほどよく膨らみがあって、まるでメロンなどの果実にも似た柔らかな香りも、華やかすぎず強すぎず。そのまま飲むにも、食事と合わせても楽しめそうです。日本酒好きの方も、飲み慣れていない方にもどちらにも好まれそうですね。


丹山:純米大吟醸なので、原料である酒米を50%以下まで削っています。非常にもったいない話ですが、その分綺麗に洗練された繊細な味わいを堪能することができます。

「宝穂」を購入したり、プレゼントすることは、日本の里山や地域経済を応援することにも繋がるのかもしれません。新潟県にゆかりのある方だけでなく、プレゼントするお酒に迷っているなら、日本酒ビギナーでも飲みやすい「宝穂」にしてみてはいかがでしょうか。



DATA

純米大吟醸酒 宝穂'16

自然栽培の「山田錦」からできたビギナーにも飲みやすい日本酒。蔵直酒屋 方舟で限定発売されています。

酒質
純米大吟醸
原材料
新潟県産自然栽培米山田錦100%使用
アルコール度
14~15%
精米歩合
50%
購入できるお店
蔵直酒屋 方舟(株式会社セオリー) 購入する

SELECTED SHOP

蔵直酒屋 方舟(株式会社セオリー)

1500点以上のお酒が揃う、新潟・石川・や富山・福井・長野の日本酒専門店。