元ピクサーの仲間であるふたりの監督が、トンコハウスというアニメーションスタジオを立ち上げ、アカデミー賞ノミネート作品『ダム・キーパー』を製作しました。その主人公・ピッグを立体化したぬいぐるみは、トンコハウスのこだわりと愛情がたっぷり込められたグッズです。

まるで映画を作るように生まれたぬいぐるみ

ひとつのグッズから、それを生みだした人の想いが伝わるような商品というものがあります。


2015年アカデミー賞にノミネートされた短編アニメーション映画、『ダム・キーパー』の主人公である「ピッグのぬいぐるみ」が誕生したきっかけには、普通のキャラクター商品にはないたくさんのこだわりが込められています。


トンコハウスというアニメーションスタジオから誕生し、アニメを観た人やスタッフに愛されて発売に至った1体のぬいぐるみ。


1本の映画を作るために注がれる情熱と同等のこだわりが詰まったぬいぐるみと、元ピクサー・アニメーション・スタジオ出身のふたりの監督が世界的なスタジオに成長させたトンコハウスについて、ご紹介します。

やりたいことを形にし続ける集団「トンコハウス」とは?

スタジオのピッグとFOXの置物

カリフォルニア州のバークレーにあるアニメーションスタジオ「トンコハウス」

「ピッグのぬいぐるみ」を販売するトンコハウスジャパン株式会社の本部は、アメリカ・サンフランシスコ近くのバークレーという町にある、スタジオ・トンコハウスです。


トンコハウスは、日本人で東京都出身の堤大介さんと、日系アメリカ人で南カリフォルニア出身のロバート・コンドウさんというふたりの監督が、2014年7月に設立したアニメーションスタジオ。


堤さんとロバートさんは元々、「トイ・ストーリー」や「モンスターズ・インク」シリーズなど大ヒット作を多数製作する、ピクサー・アニメーション・スタジオの仲間でした。


堤さんとロバートさん

(左)ロバート・コンドウ監督と(右)堤大介監督

ピクサーでアートディレクターとして活躍していた2人はお互いの才能と人柄に惚れこみ、在職中にもらった3カ月の休暇を使って、信頼する数名のスタッフと共に短編アニメーション映画『ダム・キーパー』という作品の制作を始めました。


そのときは未完成のまま一度ピクサーに戻った堤さんたちでしたが、自分たちの作りたい作品を追求し成長をし続けたいという思いから、一念発起。ピクサーを辞めてトンコハウスを立ち上げたのです。

新スタジオの処女作『ダム・キーパー』が、世界中の映画祭で話題に!

『ダム・キーパー』場面写真1

© 2017 Tonko House Inc. ALL RIGHTS RESERVED

約9カ月の製作期間を経て生みだされた短編アニメーション映画『ダム・キーパー』は、2015年にアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネート! ほか、数々の国際映画祭に入選し20以上もの映画賞を受賞します。独創的な色と光が印象派の絵画のように描かれ、他のアニメとは一線を画したタッチの18分間の作品は、世界中の映画関係者と観客の心をつかんで離さなかったのです。


『ダム・キーパー』場面写真2

© 2017 Tonko House Inc. ALL RIGHTS RESERVED

映画『ダム・キーパー』ストーリー

主人公は、家族も友達もいないブタの少年・ピッグ。ピッグは「毎日必ず決まった時間に大きなダムの風車を動かす」という、父親の仕事を継いで守っている。ピッグの仕事によって町は大気汚染に覆われることなく平穏を保っているのだが、人々はその事実を知らない。ある日、内気なピッグは天真爛漫なキツネの転校生・フォックスと出会い、人生を一変させる。

© 2017 Tonko House Inc. ALL RIGHTS RESERVED

オンラインショップにはクリエーターの作りたかったグッズだけが並ぶ

トンコハウスの設立から約3年。


『ダム・キーパー』という名作を誕生させたにも関わらず、アメリカにあるトンコハウスの本部は「堤、ロバート両監督と、ジェネラル・マネージャー・三宅大介の3人が首脳陣としており、そこに8名のスタッフがいるだけの小さいスタジオです。 日本にいるのは私とあと3名だけなんです。」と意外な事実を教えてくれたのは、トンコハウスジャパン株式会社のプロダクションコーディネーター・長砂愛(ながすな・あい)さん。


長砂さん

トンコハウスジャパン株式会社のプロダクションコーディネーター・長砂愛さん

長砂さんは『ダム・キーパー』グッズのオンラインショップに2016年12月の立ち上げから携わっているほか、本作の世界観をファンに届ける展覧会「トンコハウス展」の運営を担当しています。


「トンコハウスでオリジナルグッズを作り始めたのは、 ダム・キーパーの制作中、両監督はじめ、プロデューサーやデザイナーの方たちが『ダム・キーパーのキャラクターでグッズを作りたい』と思ったのがきっかけでした。 そこから、トートバッグやアートプリントなどを作りはじめ、その後には、商品を包む包装紙やマスキングテープなども『やるんだったらそういうのもちゃんと作りたいよね』と、商品と同じくらいこだわって作ったそうです」(長砂さん)。


他の誰でもない映画を生みだしたスタッフの「作りたい」という思いからオリジナルグッズの制作&販売が始まっているそうです。このショップで販売される商品が、他の映画スタジオから生まれるグッズと大きく違うのはまさにそこです。


「ほとんどの映画のキャラクターはライセンス契約をしていて、商品化権を認められたグッズ制作会社主導で企画を進め、それを映画を製作した側が監修して商品化していきます。ですがトンコハウスの場合は、クリエーターが作りたいものを作ろうって商品化していった点が、他と違うのかなって思っています」(長砂さん)。


これは、映画を作ったチームではない誰かが大量生産しているわけではない、という証拠。グッズのひとつひとつに制作者の想いが込められているということですね。

「欲しいよね」の声から生まれた日本限定「ピッグのぬいぐるみ」

ピッグのぬいぐるみを持つ長砂さん

ピッグのぬいぐるみを持つ長砂さん

本場アメリカのトンコハウスショップにはなくて日本限定販売なのが、この「ピッグのぬいぐるみ」です。


2017年3月より宮城県石巻市の石ノ森萬画館で行われた「トンコハウス展」にあわせて出来上がりました。前回の展覧会に足を運んでくれたファンや映画を観てピッグを好きになったファンから「ぬいぐるみ欲しいよね」という声が届くようになって作ったそう。


「ふたりの監督は、形とか仕様だけじゃなくてキャラクターの性格とかも全部詰め込みたいって試行錯誤を繰り返して、2回のデザイン調整がありました。1回目に3体、2回目に2体。そして最後にもう1体作り、これはなんと6体目らしいんですよ。『ほっぺたをプックリさせて』とか、『耳の形を変えて』などと試していった結果、この形になりました。トンコハウスとしては映画作りも商品作りも同じという風に捉えていて、自分たちがまず作りたい物があって、もし作るんだったら徹底的にやりたい。そしてそれを作るために、パートナーを見つけて一緒に作るという流れです。それで出来たのがまさにこの子です」(長砂さん)。

ピッグのぬいぐるみ(横)

これからのトンコハウスは?

「トンコハウス」という名前は、出発点である映画『ダム・キーパー』に出演するキャラクター、「豚(トン)+狐(コ)」からとっているそう。劇中、深い友情で結ばれた豚と狐のコンビとイメージが重なるような、堤大介さんとロバート・コンドウさん。ふたりの監督の二人三脚から始まったスタジオは、今どんどんスタッフが増えているそうです。


「2017年夏に動画配信サイトのHulu japanから、キャラクターは一緒で新作という『ピッグ-丘の上のダム・キーパー』 というショートシリーズが出るので、それをスタッフ全員一丸となって取り組んでいます。監督のふたりは20世紀FOXとのタッグで製作される長編映画『ダム・キーパー』にもとりかかり、その傍らでは短編映画の5年後の世界を描くコミックブック全3巻も作っているという。いろいろ同時進行で『ダム・キーパー』の世界が広がっていく感じですね!」(長砂さん)と、今後の展開を教えていただきました。

トンコハウスの勢いが止まることはなさそう!

数年後、この「ピッグのぬいぐるみ」が世界中で知られている、そんな世の中になってしまいそうな展開にワクワクします!


「Instagramで、この子を連れてどこかへ行って写真を撮る、ということをしてくれている投稿が出てきたりして、とても嬉しいんです! そういう、友達や相棒のように身近にいる存在になってくれればいいなと思います。これからも楽しみでならないですね!」と、長砂さんはニッコリ笑っていました。



DATA

ピッグのぬいぐるみ

ピッグのぬいぐるみ

『ダム・キーパー』ファンの声から誕生した、主人公・ピッグのぬいぐるみ。容姿も性格もピッグのキャラクターそのものが反映するよう作られました。持った時に重さを感じるよう、おしりにペレットを入れています。

素材
ポリエステル、コットン
外寸
横幅155×奥行130×高さ170mm
購入できるお店
トンコハウス公式オンラインショップ購入する

SELECTED SHOP

トンコハウスの長砂さん

トンコハウス公式オンラインショップ

トンコハウスオリジナルのアイテムが並びます。ほとんどが限定品ですので、お早めにお求めください。


公式サイト:http://www.tonkohouse.jp/